20代半ばで身長+1cm
先日来院していただいた20代のクライアントから『身長が1cm伸びていた』と報告がありました。
骨の成長に関与する「骨端線」というものがありますが20代では大抵閉鎖しています。(ごく稀に20代半ばまで骨端線が残っている方もいます。)
同じように「施術後にウエストが細くなっていた。」のような報告は実はよくあります。今回はそのメカニズムについて。
身長増加に関わる要因
先に書きましたが骨が伸びれば身長の伸びる。当たり前ですよね。
成長期の子どもの場合は骨端線部分での細胞がどんどんできるので身長が伸びます。ちなみに身長増加に一番関与する骨は大腿骨、太ももの骨です。
この骨の成長を促するのが以下のもの
適切な栄養供給(タンパク質はマスト)
質の良い睡眠(夜8時・12時が成長ホルモン分泌のゴールデンタイム)
過度なストレスの除去
運動(特に骨の長軸方向への刺激)
運動では骨に対して縦方向の刺激を加えると成長しやすいと言われます。
大腿骨への縦方向の刺激=ジャンプ=バスケ・バレーなどジャンプをよくする種目
となんとなく皆さんがお持ちのイメージと一致するかと思います。
大人の身長低下に関わる要因
では次に身長が低くなる要因について。ここでは先天的な成長ホルモン分泌異常などは除き、一般的なものだけ書きます。
老化(骨密度が低くなり骨が圧縮される)
運動不足(筋肉の癒着・硬結が増えて縮む、全身の組織への栄養供給が減る)
栄養不良、不摂生
過度なストレス
姿勢不良(猫背など)
身長の増加・減少どちらにもストレスが関係します。過度なストレスは成長ホルモンなどの分泌を乱すことになるので悪影響が及ぼされます。適度なストレスは成長に必須なのでバランスが大切。
今回のテーマとして重要なのが「姿勢不良」。例えば猫背は背中が丸くなること。丸くなることで背骨のS字カーブが強くなる分、縦方向への距離が短くなります。
背骨のS字カーブが強くなる=前後方向に広がる分、縦方向=身長が低下します。老化による身長低下は骨が圧縮されて起こりますが、長年の姿勢不良も関係しますし、質の悪い栄養も原因となります。
つまるところ、夜12時までには寝て、適度に運動して代謝を良くして、仕事をほどほどにやるのが一番ってことです。健康なんてのはシンプルことの繰り返しで作られるものです。
施術で大人の身長が伸びた理由
先に答え。施術で背中と胸郭周りの緊張が取れたから。
背骨だけをまっすぐにするような施術(例えば背中をバキッ、と鳴らすような手技)をしてもその背骨に連結している肋骨周辺(胸郭、と言います)の筋肉が硬かったら元に戻ります。
関節を鳴らすことで神経を刺激し周囲の筋緊張が取れて継続的に背中がまっすぐになる方もいますが、そういった方はそもそも運動習慣があったりコンディションが良い方です。
あまり瞬間的な手技で長期的効果は期待しない方が良いです。楽を求めちゃダメですよ。
また、肋骨の中には肺があります。そもそも呼吸が浅い状態であれば胸が開かないので背中は丸いまま。呼吸が浅くなる原因を探さなければなりません。
大抵は長時間のデスクワーク、精神的ストレスです。厄介なのはここでもストレス。無意識下でストレスを感じていると自然と背中が丸くなってその姿勢でロックされてしまいます。(無意識なので本人は何も感じない、これが厄介な理由)
今回のクライアントの場合、右肩深部の硬さが取れたことで胸郭が膨らみやすく=深呼吸ができるようになったので背骨周辺の筋緊張が減り、背骨がまっすぐになってきました。いろんな部位が関連するので一概にこう、とはなかなか言えないものです。常にケースバイケース。
その中でも確実なのは深呼吸ができる状態は100%有益であること。
胸郭が膨らむようになると酸素がたくさん取り込めます。そして血流も促されます。そして筋肉や靭帯など軟部組織に栄養が正しく供給される。
こんなことが起きるので大人でも身長が数センチ伸びる、正しく言うなら「本来の自分の身長になる」のも不思議ではありません。
背中だけ局所で診るよりも全身診た方が長期的に好調になりますよ。
そんな感じです。
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