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小さい子どものいるお母さんが不調になる要因




先日、朝から昼過ぎまで生後5ヶ月の子どもと一対一の時間を過ごしました。いわゆる「ワンオペ育児」です。

※ここでは「イクメン」とか「子育てする僕偉いでしょ」みたいな気持ち悪い承認欲求をぶつけるつもりは毛頭ありません。そんなブログ読む価値ありませんし。

たかだか6時間弱でしたが体験してみると「なぜお母さんが心身共に不調になる、病む」のかよく分かりました。

ざっと理論的な部分も書いておくので知っておいて損はないですよ(特に男性)。

 

1:核家族という形態がそもそも無理ゲー

我が家もそうですが、「THE 核家族」。両親2人と子ども1人。現代社会では割と一般的な家族形態です。

そもそもな話、この家族形態って動物としての「ヒト」としておかしいんですよね。原始的(プリミティブ)な生活を営む民族は世界各地にいますが基本、集団生活です。おじいちゃんがいれば親もいて親戚もいる。その中で子どもが育っていく。確実なのはその集団の割合で大人の数に対して子どもの比率が50%(つまり我が家のような核家族の割合)というのはありません。

確実に大人の数が多い。子育てってそれくらいでやっとこさ成り立つ大変なことなわけです。(もちろん食料調達やら獣から身を守るなど他の理由もありますが)

そうじゃなければ核家族の形態を取る民族がいてもおかしくない。しかしそれがないということは生物学的に「核家族は不自然な家族形態」ということでしょう。

歴史や経済にさほど詳しいわけではありませんが、核家族が増えたタイミングや理由は産業革命や資本主義あたりの経済的理由が大きいのではないでしょうか?詳しく方教えてください。

どちらにせよ核家族。旧来の生活だと男性が仕事に出て、女性が子育て。お母さんと子どもの1on1。感覚的にも相当キツいのわかりますよね。

 

2:子どもはまだ「野生動物」

言い方がひどいですが子ども、特に赤ちゃんは野生動物です。その理由として脳の未熟さがあります。

人間の脳は生まれてからどんどん大きくなります。特に脳の表層、外側にあたる大脳新皮質。ここはヒトをヒトたらしめる部位。(画像でいう大脳皮質)



創造力、計画性、慈しむなど人間性に関与します。

なのでここが未熟な赤ちゃんは主に大脳辺縁系、動物的な脳。つまりは生き延びるための「本能」が前面に出てきます。お腹が空いたら泣くし、嬉しかったら笑う(低月齢は反応ないことも)、オムツ内のうんちが気持ち悪かったらまた泣く、など快・不快を直ちに教えてくれます。まさに本能。(画像でいう視床下部がその一部)

そんな野生動物相手にお母さん1人で立ち向かえますか?しかも、まだ自分でご飯も食べれない、言葉で伝える手段を持たない生き物です。不安しかない。

そんな生き物相手に365日、平日5日朝から晩まで1on1ですよ。相手は容赦なく本能の赴くままに動いてくる。


※例として旧来の生活を当てはめてます。

これは心身ともに病みますね。確実に。

 

3:身体的時間的制限→糖質過多の食事

ここから理論的な話も交えます。

子どもと過ごしているとどうやりくりしても自由に動ける時間が少なくなります。抱っこ紐をつけたらしゃがむのも厳しい。特に前抱っこの場合、行動制限が著しい。簡単な調理ならまだしも料理をはなかなか難しい。身体的制限。

身体的な制限に加えて時間的制限も発生します。

おむつを変える、ミルクをあげるなど最低限のことをするだけでも時間はあっという間に過ぎていきます。(時間が溶ける、と表現します、僕は)

寝かしつけのための散歩やらなんやらをこなしていくとご飯を食べる時間もない。ずっとバタバタしています。

この時体内ではどういう状態か。「ストレス」がかかっている状態です。

もちろん子どもと接している時間は尊く、幸せホルモンであるセロトニンも分泌されています。しかし同時に育児全体からのストレスにもさらされています。

ストレスがかかると副腎皮質(腎臓の上にある臓器の一部)から「コルチゾール」が分泌されます。これは抗炎症ホルモン・抗ストレスホルモンと呼ばれています。


コルチゾールが分泌されると血管が収縮、血圧上昇と血糖値上昇が起こります。この影響で危険がないか、何を求めているのかなど子どもに対する集中力が上がります。いわば臨戦体制。これはこれで大事なことです。問題はここから。

人間、常に戦い続けることはできません。どこかで休むことでバランスをとっています。スポーツでも同じですよね。休まないと怪我をします。

しかしワンオペ育児だと休む暇がない。常に連戦状態。こうなると前述したコルチゾールが分泌しっぱなしになります。コルチゾールも無限にあるわけではないのでいつか枯渇します。休むことができればその間に貯蓄を作ることができますがそれができない。そのため、長時間のストレスにより副腎が疲れます。「副腎疲労(アドレナル・ファティーグ(Adrenal Fatigue)」と呼ばれます。

これがさまざまな不調の温床なんですがここでは血糖値だけを取り上げます。

 

コルチゾールは血糖値を上げると書きました。ストレスがかかっている状態なので急激に血糖値を上げて集中することにエネルギーを注ぎます。しかし、急激かつ上がりっぱなしになった血糖値はその後同じような角度で下がります。

グラフで見るとトゲみたいな形になるので「血糖値スパイク」と言われます。


高血糖→低血糖のジェットコースターで集中していた気持ちがガクンと落ちます。それに伴い疲労感も出てきます。大仕事の後の「なんかすごい疲れた」のあの感じです。

で、低血糖のままだと生活ができませんのでなんとか血糖値をあげようとします。

そこで出てくるのが「糖質」。具体的にいうなら目の前にあるチョコレート、お菓子、菓子パン、冷凍パスタ・・・

時間的身体的制限がある中でもレンジで簡単に温められる、すぐ食べられる、食べた満足感が得られる。この満足感は血糖値爆上げによるものとドーパミン分泌によるもの。

セロトニンは幸せホルモンと書きましたがドーパミンは快楽ホルモン。どちらもカラダには大切ですが似て非なるもの。お手軽に摂取できる糖質によりドーパミンがバンバン分泌されるので満足するんですね。で、血糖値も爆上がり。爆上がりした血糖値はスパイクを起こしてまた下がる。そしてまた上げるために糖質を摂る・・・という流れです。

何か似てますね。はい、麻薬(ドラッグ)です。そのため個人的には糖質を「合法ドラッグ」と呼んでいます(笑)白砂糖は見た目からして麻薬感がすごい。鼻から吸うか口から取り入れるかの違いでしょうか。

血糖値の乱れや副腎疲労による症状については長くなるのでここでは割愛。興味ある方は調べると色々出てきますよ。

僕自身も普段は糖質を抑えた食生活をしています。そっちの方が圧倒的に調子が良いのを理論的にも体感的にも知っているので。

 

しかし、ワンオペでたった6時間ほど育児をしていた時は

・ブラックサンダー2個

・今川焼き1個

・ミニアーモンドビスケット6個

を無意識につまんでいました。疲労感(低血糖)を糖質摂取により血糖値を上げることで誤魔化していたんですね。「無意識」というのが怖い。

これを24時間毎日繰り返せば、そりゃあお母さん病みますよ。これに加えて家事負担があるとか流石に無理です。これまで多くの小さなお子さんのいるお母さん方のカラダに触れてきましたが全員疲労困憊。

正直僕の施術だけでどうこうできる問題ではありません。(おそらくゴッドハンドと呼ばれる方の手技でも無理です)

ライフスタイルそのものを改善していかないと不調も改善しません。その中で僕からできることは「正しい食生活」つまりは「栄養」です。

調理法やそういった技術面は全く持ち合わせていませんが、「人間が健全に生きる、より強くなるための栄養」という点では話ができます。栄養についてはまたどこかで書くか話をしたいです。

 

とりあえずこのブログで


・育児の疲労は単なる精神的なものではない(根性論では解決しない)

・現在のライフスタイルを家族と話し合う

・不調の改善は可能

となんとなくでも良いので理解していただき、ご家族皆さんが健全なライフスタイルを送るための行動の後押しになれば嬉しい限りです。

よろしくどうぞ。

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