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子どもの足に「厚底シューズ」は必要か?



子どもにふわふわクッションシューズは要るのか?

某厚底が売りのスポーツシューズメーカーが子ども用の靴の販売を始めたらしい。(SNSのタイムラインで広告が出てきます。やめてほしい。)

これに対してカラダの専門家である僕の意見。信じるかどうかは読者の方にお任せしますが書くからには言葉に自信しかありません。


いつも通り、答えから書きます。


子どもに厚底シューズは通常必要ない。これが答え。「通常」という言葉を入れているのがポイントです。ブログでは一部解説していきます。


足に多くある「固有感覚受容器」の発育阻害

聞き慣れない言葉「固有感覚受容器」。簡単に言うと足に入る刺激を感知して正しい姿勢を保持するセンサーです。

立位の体勢でバランスをとるには唯一地面と設置している部分である「足裏」が正しく機能していないといけない。機能させるには可能な限り地面と足との間に余計なものがない方が刺激が正しく伝わります。

正確にいうなら足裏が機能していなくても立つことはできますがバランスが悪いので膝や腰、背中など様々な部位に余計な力みが生まれます。その結果同じ運動をしても足が機能している・していないかどうかで疲労度合いもケガのしやすさも変わります。

つまりは「裸足」が一番。理想。地面の凹凸や冷たさ、柔らかさまでダイレクトな刺激が足に入り、そのままカラダ全体に影響を与えます。

厚底であればあるほどこの刺激が少なくなる。特にバランス感覚を養うべき時期である子どもの時に足への刺激が少なくなることで結果、姿勢が悪い・転びやすい・運(一般的に使われている意味での)運動神経が悪いなど悪影響が起こります。

ちなみに姿勢が悪いと脳への血流量も悪くなるので学力も低下傾向になります。

背中が丸くなると腹部を常に圧迫するような状態になるので腸を圧迫します。そのため消化吸収が悪くなる、腸内環境が悪くなるなどから不調が増えます。なんなら脳腸相関と言って神経で脳と繋がるのでやはり学力低下も起こりますし性格や精神的な問題も増えます。


まさにTHE問題を色々抱える現代っ子っぽくなるんですね。


「通常」と入れた理由

じゃあ、ずっと裸足でいるのが正解か?とすぐに極論に走りがちですがそうではない。

例えば子どもと一緒に長い距離のハイキングをする場合。



この時も裸足で歩くと成長には好影響。登山道の凸凹が足裏を刺激して指も使うので野生的な強さにつながります。

しかし、爪をぶつけて怪我をするリスクや足裏に尖った石が刺さるリスクなど裸足で歩くことによるポジティブな効能以上に危険の方が上回ります。※数値化できるものではありません


この場合は靴を履く方が正解。足を保護する方が安全に楽しくハイキングを遂行できるからです。靴を履いたからといって足への刺激が全くないわけではないので安全確保の方が大切。ケガをして山歩きが嫌いになるよりはマシです。


しかし、少しだけ山歩きをする場合にあえてペラペラのサンダルを履いて歩くことで足元を気をつけながら歩く集中力を高める、といった意識を持たせることも成長や発達に重要です。


しかし、現代社会において以上のような山歩きは「通常ではない」ケース。だからしっかりとした靴を履くことを推奨することもあります。(ケースバイケース)


先から書いている「通常」とは街中で凹凸がほとんどないアスファルトの道や整備の行き届いた公園や学校の校庭での活動のこと。現代社会ではこれが日常であり通常。毎日土の道しか歩かない生活を営んでいる方は少ないかと。当院のある高尾も一応東京ですし。


ただでさえ足裏への刺激が少ないバリアフリーのような道を普段から厚底シューズを履き、慣れてしまったら足含めてカラダ全体が弱化していきます。


この場合も学校のマラソン大会などで普段は走らないような長い距離に挑戦するとかならクッション性が高い方が楽に安全に怪我なく好タイムで走り切れる可能性が高くなるので厚底シューズも選択肢に入れて良いかと思います。このマラソン大会も「通常ではない」ケースと言えます。


つまりは使い分けが大事ということです。


足裏とつながる全身


足は足の不調だけで完結するわけではなく、全身とつながります。


当然のように思うかも知れませんがなんとなくのイメージや綺麗事だけで終わらすのは良くない。もっと断定的に「つながり」を目に見える形にした方が理解が深まり、生活の意識に落とし込むことができると考えています。


足と全身のつながりの中でかなり重要なのが「筋膜」


イラストのものです。足裏から頭まで繋がっています。これ以外にも足からつながる筋膜は何本もあります。


足裏への刺激が少なくなり足裏の筋膜が弱く、硬くなるとどうなるか?

その影響は筋膜を介して全身に伝えてしまいます。反対に足裏をしっかりと刺激すれば全身に好影響を与えることもできます。

試しにやってみよう


イラストの筋膜を自分で伸ばしてみましょう。やり方は簡単。足裏をテニスボールやゴルフボールで強めにほぐすだけ。足裏が硬くなると太もも裏(ハムストリング)や背中が硬くなるので前屈しづらくなります。逆に足裏をテニスボールでほぐした後に前屈すると前屈角度が増えます。本当かどうか試しにやってみてください。


子どもも大人も「ハダシのチカラ」が大事


ここまで書いたのはごく一部ですがこんな理由があるので子どもに厚底シューズは「通常」必要ないと考えています。


ふわふわのクッション性のあるシューズは心地よいけど、それが健全な成長につながるかどうかは別ってことです。甘くて美味しいスウィーツも食べ過ぎると毒ですよね。それと同じ。

何事も『過ぎたるは猶及ばざるが如し』ってことです。


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